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焼き肉でも行かないか」

投稿日時：[2011-07-12]

　その間に、長男の太河君（１２）が黙って母親の捜索願を災害対策本部に出していた。

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次ページ。　「逃げていてくれ」との願いは届かなかった。その自宅の方まで津波が襲うのを、不安とともに見つめることしかできなかった。　戸羽市長によると、見つかったのは、自宅から２００メートルほど坂を上った場所。焼き肉でも行かないか」という市長に、久美さんは「子どもたちが帰ったら聞いてみるね」と喜んだ。自宅にいた久美さんは、避難するために近所で声をかけ合っていたところを津波に流されたという。震災直後から災害対策に追われ、妻を捜せずにいた戸羽市長は「見つかってよかった」と涙を浮かべた。５日午後、警察官から知らされた。「ごめんな」と何度も声をかけた。