RMT >TERA RMT（予約制）

　辺りは暗くなろうとし

投稿日時：[2011-06-29]

前ページ。　寿美さんは軽度の脱水症状がみられる程度だが、任さんは顔や足にけがをしていた。　「たすけてー」。足が悪くて動けなかったという。　２人が搬送された病院で会見した任さんの父の明（あきら）さん（５７）らによると、地震発生翌日の１２日、寿美さんの携帯電話に、任さんの兄から着信があった。助けてください。２０日、任さんが屋根裏を破って屋根に乗ったことが、９日ぶりの救出につながった。宮城県石巻市で倒壊家屋から救出された祖母と孫は、がれきの下で励まし合いながら、助けを待っていた。そばには冷蔵庫やテーブルがあった。体にはバスタオルを何重にも巻き付けていた。がれきに囲まれ、阿部任（じん）さん（１６）が屋根にしがみついていた。　署員ががれきをかいくぐっていくと、倒れたクローゼットの上に布団にくるまった祖母の寿美（すみ）さん（８０）がいた

近くにある冷蔵庫から食材を取り出し、空腹をしのいだ。地震発生から１０日目。カイロを渡し、カッパをかけると、ようやくほっとした表情になった。。８０歳です」。関連トピックス

• 地震。署員が持っていたお菓子を差し出すと、任さんはほおばって食べた。任さんは「うちはつぶれたけど２階の台所にいて無事だ」と兄に伝えた。
  12

  次ページ。生存を知ったときの心境を聞かれ、笑顔を見せる阿部任さんの父・明さん＝２０日午後８時２２分、宮城県石巻市、伊藤恵里奈撮影。署員と目が合うと「よかった」と言って、涙を流した。　寒さに震えながら振り絞ったＳＯＳが、届いた

  靴も履いていない。その情報を元に家族で捜したが、家そのものが津波で流されてどこにあるかわからず、携帯もつながらなくなった。ジャージー姿。県警石巻署員４人が不明者を捜索中、崩れて平屋建てのようになった２階建ての家から声が聞こえた。「家の中に動けなくなったばあちゃんがいます。　地震発生から３日目、任さんが隣の部屋から毛布を取ってきて２人で毛布や布団にくるまっていた。　辺りは暗くなろうとしていた