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遺族にはこの検案書を病

投稿日時：[2011-06-29]

遺族は、せめて家族や友人が、どのような最期を迎えていたのかを知りたい。

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次ページ。医者の手抜きではないか」との声があがった。。しかし、情報提供が不十分でつらい思いをさせたことがあった。それは「同時死亡の推定」という民法の規定を適用した結果だった。　東日本の被災地には心のケアができる人を遺族のそばに多数送って、彼らの疑問に応えられるような態勢をとる必要がある。　阪神大震災とＪＲ宝塚線脱線事故に救急医として携わった。現地の医療関係者は少なくとも、遺族と向き合う姿勢を忘れずにいてほしい。関連トピックス

• 地震。きちんと対面し、女性が置かれていたとみられる状況を、医者としてわかる限りに説明を尽くせば良かったと後悔した。こうしたことを説明しないと、不信感を与えてしまう

  　ところが、遺族は女性が亡くなるまでどう過ごしたのか全くわからず、長い間つらい思いを抱いてきたことを後で知った。　遺族の悲しみは深い。遺族にはこの検案書を病院から渡しただけだった。事故現場近くの体育館で診た多くの遺体の死亡時刻はみな同時刻。吉永和正・兵庫医科大教授。■吉永和正さん（６２）　兵庫医科大教授。今回、兵庫医科大（兵庫県西宮市）からも救護医療チームを派遣している。

  前ページ。遺族からは「１分でも２分でも違うはずだ。家族の誰が先に死亡したかによって遺産相続に影響がでることもあり、一つの事故で死亡時間の前後が不明な場合、この規定が適用される。　脱線事故の時も、そうだった。遺体の状態から、死亡時刻は地震発生から数時間後と死体検案書に記した

  　阪神大震災の当日、心停止状態の女性を診た