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高失業率と若者の海外流出も深刻で、雇用創出も急務だ

投稿日時：[2011-06-24]

　経済失政で欧州連合（ＥＵ）などからの金融支援を招いた与党共和党は約８０年間守った第１党の座を失い、第３党以下に転落。ＥＵからの金融支援については、返済条件についてＥＵと再交渉する方針を示した。高失業率と若者の海外流出も深刻で、雇用創出も急務だ。反英武装集団、アイルランド共和軍（ＩＲＡ）の政治組織だったシン・フェイン党はＥＵ懐疑路線を掲げて１３議席を獲得、ジェリー・アダムズ党首も初当選した。　アイルランドは金融危機後のバブル崩壊に伴う銀行救済で財政難に。ユーロ圏の財政危機を巡り、政権与党が下野するのは初めて。昨年１１月、ＥＵと国際通貨基金（ＩＭＦ）などが最大８５０億ユーロ（約９兆５千億円）の支援を決めた

ただ、同党の単独過半数獲得は難しい情勢で、中道左派の労働党との連立か無所属議員との連携が濃厚だ。　２７日午後３時半（日本時間２８日午前０時半）現在、１４６議席が確定し、統一アイルランド党６５、労働党３４、共和党１７となっている。１５年までに財政赤字の国内総生産（ＧＤＰ）比を昨年の３２％から３％以内に抑えるなど、厳しい財政運営を強いられる。　統一アイルランド党のエンダ・ケニー党首は２６日夜、「投票箱で民主的な革命が起きた」と述べ、３月９日に招集される新下院で自らが首相になるとの見通しを明らかにした。　新政権の最大の課題は、支援計画にもとづく経済と財政の再建。中道右派の最大野党・統一アイルランド党が勝利宣言をし、１９９７年以来の政権交代が確実となった。　【ロンドン＝伊東和貴】財政危機に伴う政治混乱で解散したアイルランド下院（定数１６６）の総選挙は２７日、約９割の議席が確定