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　これに対し、松山市や地元旅館組合は、本館修理期間中の観光客への影響を懸念する

投稿日時：[2011-06-22]

道後温泉周辺の宿泊客数は、９９年の約１３０万人から減り続け、０９年は約７７万人とピーク時の６割ほどになった。２００２年に松山市が設置した保存修復検討委員会では、阪神大震災級の大地震が起きた場合、大破するおそれがあるとし、早期に修繕する必要性が指摘されている。なぜ、修繕されないのか。　市が、本館の修繕が道後温泉全体に与える影響を民間調査機関に依頼して調べたところ、「神の湯」が利用できない期間は、本館の入浴客が９割減少し、周辺の宿泊客も５０万人台に減るとの試算が出た。　日本最古の温泉とされ、松山市の観光地を代表する道後温泉。。　保存修復検討委員会では、観光客への影響をできるだけ少なくするため、営業を続けながら部分ごとに修理を進めると結論づけた。

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次ページ。老朽化が指摘されている道後温泉本館＝松山市道後湯之町、高木写す。　本館はこれまで、本格的な修繕工事をされたことはなく、湿気やシロアリ被害による老朽化が激しい

　これに対し、松山市や地元旅館組合は、本館修理期間中の観光客への影響を懸念する。それでも１１年かかり、うち５年半は入浴客が最も多い「神の湯」を全く利用できなくなるという。　道後温泉本館は１８９４（明治２７）年に建てられ、松山市が所有・管理する。小説「坊っちゃん」の主人公が訪れていた「神の湯」や、日本で唯一の皇室専用湯殿の「又新殿（ゆうしんでん）」など五つの浴槽があり、木造建築の外観は映画「千と千尋の神隠し」に登場する湯屋のモデルとされる。影響で、旅館や商店の廃業も避けられないという。関連トピックス

• 地震。国の重要文化財に指定されている本館は今年で築１１７年になる。道後温泉の入浴客数も９９年は約１４５万人だったが、０９年は１１０万人台にとどまっている。老朽化がひどく、地震などへの不安から修理の必要性が指摘されているが、具体的な計画は進んでいない