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RMT >ラテール RMT

{ラテール} CBTプレイレポートを掲載

投稿日時:[2011-04-13]

ゲームポットの新タイトル「トキメキファンタジー ラテール」(以下,ラテール)は,シンプルな操作系統と,カスタマイズ性の高いアバター要素で「女の子層」にアピールする,オンラインアクションRPGだ。
 ラテールでは,12月15日~17日および12月22日~24日に,それぞれ3日間にわたるクローズドβテストが実施された。今回は実際にβテストに参加してみて,先日のテストプレイ(関連記事は「こちら」)では見えなかった部分を中心にお伝えしていこう。
 なお,βテスト期間中に作成したキャラクターは,オープンβテスト開始時にレベルや装備品などがリセットされるが,キャラクター名/職業/顔/ヘアカラーといった基本情報は引き継がれる。お気に入りのキャラクター名を押さえていた人は,その点には安心してほしい。
■初めてでも悩まない職業と成長システム

 プレイヤーキャラクターの作成時に選べる職業は,「ファイター」「マジシャン」「シールダー」「レンジャー」」の4種類。キャラクタースロットは1アカウントにつき三つまでだった。
 キャラクターのステータスには筋力/体力/魔力/運の4種類があり,初期値は職業によって固定されていた。レベルアップ時には職業ごとに定められたステータス値が自動的にアップするだけで,ポイントの割り振りといったシステムはない。特定のステータスを高める「特化型」など,個性的な能力のキャラクターを育てられないのはやや残念だが,一方で,ゲームに不慣れな人でも「職業から受ける印象で選びやすい」というメリットがある。例えば,ファイターは力が強いというイメージが決して裏切られないというのは,初心者の安心感につながりそうだ。
 それに,その気になれば「エンチャント」や「強化」システム(詳細は後述)を利用したアイテム強化が可能なので,キャラクターのスペックにこだわりを持つ中~上級プレイヤーでも,充実したキャラクター育成が楽しめるはずだ。
 キャラクターメイキングが終了すると,操作方法を学ぶためのチュートリアルがスタートする。ここでは移動や攻撃,ジャンプといったごく基本的な操作を教えてもらえるだけで,特殊な操作やラテールのバックストーリーなどにはとくに触れられていない。本作では,アイテムを拾ったり防御したりといったアクションもキー操作で行えるのだが,それらはチュートリアルでは説明されなかった。
 また韓国版では,ラテールのメインシナリオである,デル族の最後の少女「イリス」の失踪に関するオープニングムービーが流れるそうだが,これは以前のインタビューでも触れたとおり,日本版では「世界観が合わない」という理由でカットされている。クローズドβテストでは,ゲーム内に「イリスの残像」という形で少女があちこちに現れ,断片的に過去の話をしてくれるのだが,背景を知らないプレイヤーにとっては,ちょっと唐突な存在にも思えてしまう。
 公式サイトにはイリスについての簡単な紹介ページがあるが,正式サービス開始までには,日本版オリジナルのムービー,あるいはバックストーリーを補足する内容が追加されていることを期待したい。
■操作系統はシンプルにまとまっている
 ラテールの操作は,そのほとんどをキーボードのみで行える。キャラクターの移動はカーソルキー(↓キーで防御となる),ジャンプはCキー,攻撃はZキー/Xキーと,非常にシンプルだ。
 Zキーはスキの生じない通常攻撃で,Xキーは,スキは生じるが大きなダメージを与えられる攻撃となっている。ただし,職業がマジシャンの場合に限って,Xキーが長射程の魔法攻撃となり,Xキーを長押しすることで,より強力な範囲魔法が撃てる。発動までに時間がかかるので,ソロプレイでは使いどころが難しいものの,パーティプレイでは重要なテクニックとなりそうだ。
 また画面上部に設置されているショートカットスロットには,攻撃スキルやアイテムだけでなく,座る,アイテムを拾うといった,使用頻度の高いアクションなどもすべて登録できる。
 ラテールでは,武器や防具といった装備品だけでなく,回復系アイテム,ステータス上昇を助ける食べ物系アイテムにいたるまで,すべてレベル別に使用制限が設定されている。ゲームをより深く楽しむためには,レベル上げの作業が欠かせないのだ。
 しかし,実際にプレイしてみると,適正レベルのはずのモンスターには苦戦しがちで,結局,あまり経験値が稼げない格下のモンスターを相手に,長時間戦闘をすることとなった。クエストで得られる経験値もあまり多くはなく,序盤では育成しやすいとされているファイターでも,かなり「作業的」なプレイが必要になる。
 ゲームに不慣れな層にルーチンワークの苦痛を味わわせないためにも,よりテンポのいい展開に向けて,手が入ることを期待したい。
 攻撃や支援スキルはすべて,「技術書」という本の形で,街のNPCが販売している。必要レベルに達していれば,購入した本をダブルクリックすることで,スキルを習得できる。レベルアップ時にはスキルポイントがもらえるので,これを任意のスキルに割り当てていくのだ。
 ユニークなのは,カジュアルゲームでは定番のエモーション,つまり感情表現もスキル扱いになっているところ。エモーションスキルは「イモティコン」と呼ばれ,新しいイモティコンを覚えるには,モンスターがドロップする本を手に入れなければならない。しかも,習得には成功判定があり,このクローズドβテスト期間中に「肯定する」「怒る」など5種類の新しいイモティコンを手に入れてはみたが,習得に成功したのはわずか1種類。うーん,なかなか難関らしい。
■クセになりそうな採掘&採鉱が育成の第1目標

 ラテールでは,戦闘やクエストだけでなく,「採掘」「採鉱」も楽しめる。これは,ベロスの街の外れにいるNPC「アネス」の依頼を受け,それぞれ指定されたモンスターを倒して報告すれば,スキルとして習得できる。
 採掘は一般フィールドならどこでも使えるスキル。スコップで地面を掘り起こし,一定確率でアイテムが手に入る。序盤のフィールドを採掘した限りでは食べ物アイテムが多かったが,ときにはファッション装備や,ワープ用アイテムなども入手できるらしい。そのギャンブル性が,ついつい熱中してしまう面白さだ。
 アイテムヒット率は思ったよりも低めで,マップの端から端まで掘り起こしてみても,何も出てこないことも多かった。それだけに,珍しいアイテムが手に入ったときの喜びも大きいわけである(何時間も連続して採掘していたプレイヤーも見かけたほど)。
 一方の採鉱は,特定のエリアでしか使用できないスキル。クローズドβテストで公開されたマップでは,「山林炭鉱」が唯一の採鉱スポットだった。
 採鉱はモンスターの出現しない階層のみで実行でき,「普通鉱石」や「銀」をはじめ,ときには「ぺリドート」などの宝石も出てくる。
 ちなみに,採掘/採鉱のスキルレベルは上げられなかったので,どんな物が手に入るかは,純粋にリアルラックの問題。既存のオンラインゲームでも「釣り」や「採集」といった作業に熱中してしまうという人なら,ラテールの採掘/採鉱もきっと気に入るだろう。

■あと一歩が物足りないインタフェース

 ラテールは,シンプルな操作性や愛らしいグラフィックスにより,大人から子供までプレイできるタイトルになっている。しかし今回のクローズドβテスト版クライアントでは,いくつか不満点も見られた。
 例えば,現在進行中のクエスト一覧ウィンドウを開くと,右下に大きく「キャンセル」ボタンが配置されている。ウィンドウを閉じるボタンとうっかり間違えてしまう可能性があるし,一度押すとそのままクエストがキャンセルされてしまうのは厄介だ。これが遠方の町で受けたクエストだったりすると,再度依頼を受けに戻るのはかなりの負担だ。せめて,「本当にキャンセルしますか?」などの確認表示を追加してほしいところだ。
 また,些細なことではあるが,進行可能なクエストを持っているNPCは,頭上に小さな「!」マークが表示される。しかし身長が通常のプレイヤーキャラクターと変わらないため,夜の混雑時には,他プレイヤーの名前でアイコンが隠れてしまったりして,非常に見づらいことがあった。どちらも大きく不満が残るほどのことではないものの,痒いところにあと数cm手が届かない……というもどかしさを感じた。
 クローズドβテストを終えての感想は,横スクロールアクションゲームに必要な基礎部分はきちんとしており,プレイしていてとても安定感のあるタイトルだということ。ソロでもそれなりに楽しめるし,今後コミュニティが発達すれば,仲間とボスモンスターに挑むなど,パーティプレイの楽しみも増えることだろう。これからが期待できる内容だけに,先に述べたようなインタフェース/ゲームバランスの違和感が改善され,気持ちのいいプレイフィールやテンポの良さが前に出てくることに期待したい。そうすれば,いわゆるゲーマー層だけでなく,その周辺の層にも受け入れられるタイトルになりそうだ。(ライター:麻生ちはや)

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