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{TERA} フィードバック重視,妥協は一切しないという開発スタンスを表明

投稿日時:[2011-03-18]

G★2009の2日目である11月27日,MMORPG「TERA」のプレス向け進捗報告会が行われた。最初に断りを入れておくと,今回行われたのは大々的な発表会ではなく,これまでのCBTに対するフィードバックの報告や,質疑応答などが主な内容である。そのため,次のCBTスケジュールの発表などといったセンセーショナルな情報はなく,思っていたよりもあっさりとした内容であった。
 しかしそれでも,会場となったホテルのミーティングルームには報道関係者がぎっしりと詰め掛け,TERAの次世代MMORPGとしての注目度の高さをあらためて思い知らされた。また,Bluehole Studioの開発スタンスも垣間見ることができたので,本稿でその大まかな内容を紹介していきたい。

 今回出席した主な関係者は,Bluehole StudioのTERA開発チーム長とアートチーム長の2名。まずは,先日韓国で無事に終了した第2次CBTについての,結果報告が行われた。
 10月30日から11月2日にかけて行われた第2次CBTでは,延べ12万名からの応募があり,その中から3448名が参加したとのこと。βテスター達は,プレイスタイルやログイン時間などに関する150項目にも及ぶアンケートに答えており,その膨大な集計結果がチャートと共に,会場内でスライド上映されていった。なかなか興味深い内容ではあったが,これらの内容は撮影禁止とのことで,残念ながら本稿では紹介できない。


 Bluehole Studioはこれらのフィードバックを元に,ゲームコンテンツの追加/修正を随時行っているという。中でもとくに苦労したのは,キャラクターの“ジャンプ”で,実際にテストバージョンに実装するまで,仕様変更を10回以上繰り返したそうだ。
 開発姿勢は素晴らしいが,そうなると結果的に資金面で問題が出ることになる。この部分については,パートナーであるパブリッシャ NHNが寛容な対応をとってくれたことで,Bluehole Studioとしては余計な心配をすることなく開発に専念でき,開発チーム長はそのことをしきりに感謝していた。
 Bluehole Studioは,クローズドβテストの全体的な方針として,フィードバックの獲得を最重視している。第2次CBTを例にすると,レベル12以降になるとクエストがパーティプレイ推奨の内容になってきて,その点が韓国メディアの記者から不満として挙げられたそうだ。しかしBluehole Studioにとって,それは想定内の反応で,最終的にTERAが目指す,パーティプレイのためフィードバック獲得を最優先すると明言した。
 それを聞いた記者からは「ソロプレイ向けのコンテンツを充実させる予定は?」との問いが発せられたが,それへの対応がまた潔い。「ソロプレイ中心で遊びたいのならコンソールゲームがある」と言い切ったのである。昨今ではソロプレイでも十分にプレイできるMMOタイトルも増えてきているが,TERAのコンセプトは,あくまでもパーティプレイを主軸とした部分にあるようだ。
 それにしても,ノンターゲッティングMMORPGを標榜するTERAで,パーティプレイ中心のプレイスタイルとなると,開発のハードルがさらに高くなることは想像に難くない。美麗なグラフィックスが注目されることの多いTERAだが,その本質は意欲的……というより,もはや“野心的な”MMOと言ったほうが適切かもしれない。はたしてTERAの目指すリアルタイムMMOバトルが,最終的にどのような完成形を見せるのか,非常に興味深い。
 続いては,これまでに獲得した膨大なフィードバックを元に,今後予定される第3次CBTでどのようなコンテンツを導入するのかが発表された。主な内容は以下のとおりだ。
1:ストーリークエスト
 連続するシナリオで構成される長編クエストで,TERAが持つ独特な世界観への没入度を高める。近年のMMOではメジャーな要素なので,なんとなくイメージできるだろう。
2:勲章システム
 ギルドの所属メンバーが活動することで,特別な勲章(ポイント)が獲得できる。メンバー同士がポイントを集めることにより,ギルドメンバーが補助魔法(バフ)を受けられたり,ギルドハウスのアップグレードが行えたりするという。
3:取引関連システム
 プレイヤーキャラクター間の取引をサポートするシステムは,テスターからの要望がとくに多かったようだ。現在開発を進めているのは,いわゆる競売所の施設と,NPCの売り子を任意の場所に設置するタイプの2種類。
4:水中での移動
 キャラクターが“泳ぐ”ことができるようになる。3次CBTで実装されるのは水泳だけで,水中専用エリアや水中での戦闘などに関しては,現在検討中とのこと。
 その後の質疑応答では,韓国メディアの記者から,レベルキャップやハイエンドコンテンツに関連する,どちらかというとコアプレイヤー向けの質問が多く寄せられた。しかし上の導入ラインナップを見ても分かるように,現在のTERAは,MMOとしてのベーシックなシステムを整える段階にある。
 実際,Bluehole Studioの関係者は現在のTERAの完成度について,「まだまだ全然」と語っており,パーセンテージで表す段階ですらないという。TERAが目指すクオリティがどれだけのものなのかを考えると,開発者の気持ちがなんとなく理解できる気がする。
 注目度の高いTERAだけに,ハイエンドコンテンツや「いつ遊べるのか」などに関心が集まるのも無理はない。ただ,今回の報告会に参加して個人的に思ったのは,中途半端な状態でリリースせず,どうか彼らが納得いくところまで作りこんでほしい,ということだ。幸い,開発元と運営元の関係は良好なようなので,開発体制は万全といえるものだろう。TERAが一応の完成を見る日を楽しみに待ちたい。

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