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ドラゴニカ
投稿日時:[2010-04-20]
「ドラゴニカ」は,ネクソンが1月20日より正式サービスを開始したオンラインRPGである。ゲームジャンルは,横スクロールタイプのMO/MMOアクションで,ざっくばらんにいうと,同社の「メイプルストーリー」や「アラド戦記」に近いタイプだ。ドラゴニカは,それらの定番作品の面白さに加え,近年のMMORPGにおけるトレンドを積極的に取り込んでいるのが大きな特徴となっている。
ドラゴニカのゲーム内容については,4Gamerでは過去に先行プレイレポートを掲載しているのだが,今回は,正式サービス後の状況も踏まえつつ,あらためてその魅力を紹介していきたい。とくに,「アクションゲームは嫌いじゃないんだけど,複雑な操作はちょっと苦手かも……」というライトゲーマーの人こそ,ぜひ一度目を通してみてほしい。
MOとMMO,どちらのプレイスタイルにも対応
ドラゴニカでまず最初に知っておいてほしいのは,このゲームがMMOとMOの両方のシステムを取り入れており,そのどちらか片方だけでも問題なくプレイできることである。
ゲームの舞台となるエリアは,街エリアとフィールドエリア,それとミッションエリアの3種類。このうち街とフィールドはMMO形式,ミッションエリアはMOすなわちインスタンス生成のタイプとなっている。
MMOのエリアではほかのプレイヤーも冒険しているので,彼らとのやりとりが生じるなど,オンラインゲームならではの醍醐味がある。もう一方のミッションエリアでは,部外者とのモンスターの取り合いなどを気にすることなく,マイペースで攻略に専念できる。ドラゴニカでは,街で受けられるクエストが,これらの両方を対象としており,その日の気分に応じたキャラクター育成が可能なのだ。
育成時におけるプレイスタイルの幅は広いが,ゲームの大筋としてはミッションマップの攻略が大きな目標となる。このミッションエリアは,多くのフィールドマップに最低一か所が用意されており,同じ場所でも5段階の難度に分かれている。これを順番に攻略していき,“英雄クエスト”と呼ばれる最高難度のミッションエリアをクリアすると,メインストーリーが進展するのだ。
文章で説明するとややこしく感じるかもしれないが,実際にプレイしれみれば難しいことは全然ない。「英雄クエストをクリアしたら次のフィールドエリアへ」と考えておけばだいたいOKだ。
究極のコンボを追求する面白さ
「ファイナルファイト」などに代表される横スクロールアクションゲームの大きな醍醐味は,今も昔も変わらず「いかにして気持ちよく攻撃を叩き込むか」である。ドラゴニカにおいてもその醍醐味はまったく一緒で,アラド戦記などの既存のタイトルと比べても,誰でも手軽にコンボの面白さを追求できる。コンボのハードルを下げつつ,アクションとしてしっかり成立しているところが,ドラゴニカの大きな魅力だ。
職業によって詳細は違ってくるが,コンボ関連のスキルを大まかに分けると,「打ち上げ系,空中攻撃系,ダウン攻撃系」の3タイプがある。例えば,今回筆者がメインでプレイした魔法使いの場合,以下のスキル群が早い段階で習得できるようになる。ちなみにこれは魔法使い用スキルのごく一部で,習得スキル数自体は全部で12種類ある。
間合いやタイミングを合わせることで,一度打ち上げた相手に対しては,空中攻撃→ダウン攻撃までを一方的に叩き込める。スキルレベルを上げることで,「ポイントバスター→エアコンボ×3→通常のダウン攻撃×3」といった連続コンボも可能だ。
アクションゲームが苦手な人でも,単体の敵に上記の7連コンボを決めることはそんなに難しくない。というのもドラゴニカでは,攻撃を外したり,一瞬間が空いたりしてもコンボが途切れない甘い判定となっているほか,ジャンプや打ち上げの際,かなり高く飛び上がるため,空中攻撃を繋げたりするのが,格闘ゲームなどと比べてだいぶお手軽になっている。
また,攻撃判定を満たしていれば,一発のスキルで複数の相手に命中させられる。3~4体前後の敵をコンボで一網打尽にしていくのは,ドラゴニカをプレイして最も気持ちがいい瞬間といってよい。プレイに馴れていくと,マルチプレイでほかのプレイヤーが打ち上げた敵に対し,引き続き自分が空中コンボやダウン攻撃を叩き込むといったコンビネーションもできるようになる。
とはいえ,常にそれらのコンボが決められるほど甘くはない。例えば敵がばらけてしまうと,コンボのタイミングがはずれてしまい,ダウン攻撃の最中に別の相手にやられることもある。また,職業ごとにコンボの流れは違っており,それぞれで効果や繋げるタイミングも微妙に違っている。そういった状況に臨機応変に対応し,「究極のまとめ狩り」を追求していくプロセスが,ドラゴニカの面白いところなのだ。
パーティプレイについて
続いて,ドラゴニカでのパーティプレイ全般について見ていこう。まず,パーティ編成時におけるハードルは,全体的にかなり低めに設定されている。例えば,“戦士,魔法使い,弓使い,盗賊”の4種類ある初期クラスには,極端な相性といったものはない。「ヒーラーさえいれば出発できるのに……」のようなこともなく,どちらかというと「とりあえず4人集めて冒険に出かけようよ!」といった気楽さがある。
ゲームの難度そのものも低めだ。たとえアクションが心底苦手だという人でも,遠隔系のクラスを選んだうえで,最大人数である4人パーティを編成して,遠巻きに通常攻撃を行っていれば,いつの間にかクリアできたりする。
ただ,そういった遊びやすさは,根っからのアクションゲーマーにとっては,ドラゴニカの4人パーティは大味で物足りないかもしれない。筆者も最初はそのような印象を抱いていたのだが,パーティプレイ時の人数を減らしてみると,印象が大分違ってきた。
2,3人パーティを経験して実感したのは,とにかく画面内の状況をちゃんと見て対応していく必要があるということだ。例えば,魔法使いの視点で見てみると,弓使い系のクラスは空中コンボを行うタイミングが自分より若干早い。そのため魔法使いが弓使いと一緒にプレイする際は,空中コンボ以外の方法でパーティプレイに貢献したほうが効率がよくなるかもしれない。
これはほんの一例で,パーティを一緒に組むクラスや,メインで使うスキルなどによって,戦い方を微調整する必要が出てくる。こういったプロセスを面白いと感じる人にとって,ドラゴニカの2,3人パーティはかなりの手ごたえがある。
ちなみに初期クラスについて簡単にまとめると,近接系の戦士,盗賊はハイリスク・ハイリターンの傾向,遠隔系である魔法使い,弓使いは,リスクもリターンも安定傾向といったところだ。近接系は敵の真っ只中に素早く飛び込みコンボを叩き込むため,ほかよりも早くダメージを出せる一方,敵から攻撃を受ける危険もある,というわけだ。
アクションが苦手だという人は,とりあえず遠隔系のクラスを選び,多めの人数でパーティを編成してみるのがオススメ。それだけでもパーティプレイの醍醐味は満喫できるし,そこから少しずつコンボを練習していけるはずだ。
レベル20で世界が大きく広がる
ゲーム全体の流れをざっくばらんに説明すると,このようになっている。
- 新たなフィールドエリアへ到着
- クエストをこなしつつ,ミッションエリアへ移動
- ミッションエリアを5回(英雄クエストモードまで)クリア
- 次のフィールドエリアへと向かう(1へ戻る)
ミッションが順調に進みさえすれば,だいたいレベルが4前後上がる頃には,新たなエリアへと移動できるようになる。受けられるクエストはかなりの量があり,この段階でプレイ目標を見失うことはまったくない。
ここで個人的なプレイを振り返ると,適当にプレイしているだけでレベル10まではすぐに成長していった。そのあとはペースが少し緩やかになる印象だが,コンボの奥深さに気が付き,これの試行錯誤を繰り返しているうちにすくすくと成長していく。
コンボに関してはレベル15くらいで自分なりの完成パターンを見つけたが,これを繰り返していくだけでとにかく気持ちよくて,レベル18くらいまではレベル上げの作業感はまったく感じない。もう一つ印象的だったのが,経験値ボーナスのシステムがいろいろとあることで,獲得経験値以上にお得感のようなものがあった。
そうこうしてフィールドエリアを進んでいくと,レベル20手前くらいで,プレイヤーにとって2番目の街となる「風の港 ブリーズ」へ到着することになる。この風の港で,また新たなコンテンツが続々と登場するのだ。
ブリーズではペットシステムやハウジングもお試し的にお披露目されるが,プレイヤーにとって最も注目すべき点は“クラスチェンジ”だろう。つまり,四つある基本職が,それぞれ二つずつのクラスへ分岐していくのだ。
クラスチェンジを迎えると新たな系統のスキル群を習得できるようになり,また,使用武器がアップグレードされて通常戦闘が強力になる。転職後の新コンボを模索していくだけでも,レベル25くらいまではすぐに上がってしまいそうな感じだ
このように,ドラゴニカではレベルアップや新スキル,そして新コンテンツなど,成長する感覚が絶え間なく訪れ,しかもストレスが溜まらない。ここが,今回ドラゴニカをプレイして最も印象深かったところだ。以前,ドラゴニカの開発者へインタビューした際,「レベル30まではプレイを辞めてもらいたくない」と力強く語っていたが,確かにその言葉に偽りはないな,と感じた次第である。
メイプルやアラドは,現在もトップクラスの人気があるオンラインゲームなのは間違いないが,登場してから結構な年月が経っている。そんな中このドラゴニカは,若い世代向けの新たなスタンダードとして定着するかもしれない。正式サービス後の滑り出しが良好で,思わずそんなことを考えてしまった。課金アイテムを使わずともプレイに支障はなく,これから春にかけて幅広い人に気軽にオススメできるタイトルといえそうだ。
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